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2008年 05月 08日
この「図工室にいこう」は「BT 美術手帳」の 「子どもと美術」という連載を本にまとめたもので、 私も表紙とか、中もちょこちょこ絵を描かせていただきました。 アートディレクションはセキユリヲさんでデザインはeaです。 http://book.bijutsu.co.jp/books/2008/03/post_328.html まずこの本のなかの図工室鳥瞰図を書くために 去年の12月くらいに編集の方といっしょに目黒の小学校を訪ねました。 いかにも都会の学校というかんじで、入り口のインターホンで許可を取らないと 中に入れないシステム。グランドはコンクリートで とっても狭い。わたしの小学校なんてこの5倍以上あったのに(※北海道)。 と、都会の乾いた小学生をイメージしていると、廊下にあちこち飾ってある 作品を見て、まずびびりました。白い画用紙に白い紙をいろんなカタチに折ったり 切ったりして張り付けたコラージュみたいなもの。色を使わないから 光と影がよくわかる。すごくミニマムでかっこいい。 小学生はもっと子供らしいもんだと思っていたのでへーって思ったところで、 ここの図工の専任教師、内野先生と会う。いかにも子供が安心できそうな雰囲気の先生。 内野先生は心から生徒の作品を大好き!って思っているのが 否応なく伝わってきて、とにかくいっぱい見せる見せる。 鳥瞰図を描くためにカメラを持ってきてはいたけど、先生の解説付き 作品鑑賞会がどんどん続く。しかしその絵や作品のすばらしーこと。 そのままCD のジャケでも本の表紙でもT シャツの柄でもなんでも なりそうなすごい絵ばかり。絵を口で説明するのは難しいけど、 荒井良二+大竹伸朗がわんさかいる感じ。超のびのび。 型にはまった上手さじゃなくて、大声で笑い声が聞こえてくるみたいな絵や 彫刻。木のイスなんて、そのままミラノサローネに持っていけそう。 あまりのすごさに、イラストレーターであることを言わないで帰りたいと 思ってたら、「はらださんの絵、みせてもらいましたよ!すぐファンになりましたよ!」 と言われ、溶けて無くなりたくなったけど、なんとか持ちこたえました。 ま、とにかくそこで、図工の専任教師がいるのは東京都だけであること、 (確かにわたしは全教科ひとりの先生に習った気がする) 専任だからできる豊かな授業の内容のこと、 図工の時間が減らされようとしていること、 図工の時間が子供にとってどれだけ大事かということなどを知りました。 このへんはこの学校の授業のドキュメンタリー映画「トントンギコギコ図工の時間」 をぜひ見ていただきたい。もうやばいっす。みんなで作るでっかい立体作品なんて、 ほとんど「ダブ平&ニューシャネル」。すごい混沌っぷり。 しかも、この小学校は私立で美術に特化したわけじゃなくて、 ごく普通の区立の小学校。 創作するいい環境があれば、こどもはこんなにすごい能力を発揮するんだ、って いうのがよくわかる。都会も田舎も関係なく。 むしろ、この目黒の小学校は土地柄か私立中学の受験組がたくさんいて、 塾や勉強でガッチリ自由を拘束されてる子が多い。そういう子にとっての 図工の時間は、ものすごくほっと出来る時間なのだ。 映画に出てくる子のインタビューで、小学校の思い出とかやりたい事を聞かれて、 「もっと妹と遊んであげたかったですね。ほとんど勉強しかしてないので。」とか 「自由に空を飛びたい」なんて言ってる子がいて、 今の子は親の期待に応えるために健気にがんばってんだなぁと思ってせつない。 ま、とにかくこの本にはそういう子供たちが、自由な気持ちで 何かを作れるような授業がたくさん紹介されていて、 それは図工の先生じゃなくても 子供がいる人とか、手作りが好きな人とか、そういういろんな人の ヒントになるんじゃないかと思います。なかなか店頭並ぶ本ではありませんが、 心を自由にして、粘土とか木とか紙とか自分のなかの自分と話をする時間は、 子供だけじゃなく、人生に大事なことだと思います。
by humancomedy
| 2008-05-08 02:50
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